» 2013 » 9月 » 25のブログ記事

これなんだかわかりますか?
橋桁みたいなこの構造物・・・   すべて木材(しかも無垢材)で作られています

なんとこれは 専門用語で”トラス”(合掌)と呼ばれる木構造の一つで
主に大きいスパン(間口)を作るのにこの工法で 柱間を結びます
そうすることで  柱の要らない大きな空間を作る事が出来るので
工場や、体育館、など大空間が必要な建築物に必要な工法なのです

しかし この工法は当然のごとく 屋根の荷重に耐えなければなりませんので
頑丈でなければなりません  
ちなみに雪の多いここ福井県では 600kg/㎡の屋根荷重に耐えなければなりません
(雪のない地域では300㎏程度で構わない・・・)
だから 普通の鉄骨をくみ上げる方法で木材を組み上げようとすると、
とてつもない大きさの木材が必要となり、現実不可能でした
しかし今回 この方法(平行トラス)を採用することで、小さい断面の木材で
このような大きい部材を作ることができ このような広いスパンを作ることができます
(ちなみにこの試験体の長さは10m)

この方法を考案されたのは東京大学の木質構造デザイン工学 教授の腰原先生です
福井の 木造建築並びに金物プレカットメーカー ”松栄建設”さんが
JBN(jaban builders network)の紹介を経て今回この工法を取り入れた工場を建築しようとされています。 しかしながら日本でも初めての試みであるので
このように 実大試験を行い設計強度通りの性能が実際発揮されるか確かめています

写真お分かり頂けるようにトラスの上に水タンクを配置し 水をどんどん入れていきます
計算上ではこの大きさですと、 13tの水を載せても大丈夫だそうですが
実大試験は 壊れるまで行わなければならないので 
その約1.5倍の19tまで水を入れられるようにしています

トラスのいろんなところにセンサーをつけ 荷重をかけていく中でどれだけ歪むかを
測っているところです  これがそのコンピュータ―

この段階で、実はすでに19tの水がトラスの上に乗った状態です
このトラスの継ぎ手部分に若干の隙間が生じていたためこのように木材がつぶれて
しまっています  しかしきちんと加工されているところはなんともありません

本来は壊したかったそうですが 想定される荷重の1.5倍の荷重をかけても
びくともしてません  たわみもごくわずかです

このような実験を経て木材が今まで不得手としてきた大スパンの建築物が
建てられるようになってまいりました  しかも今回の工法で間違いなく
鉄骨造より LOWコストで出来上がることが確認されました 
いよいよこのような木造建造物が広がってくる予感をいたしました!!

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