昨日は 福井県木連主催の合法木材業者向けの 研修がありました
その中で注目は、 林野庁木材貿易対策室長”小澤室長”による
国際的な木材市場における 今後の動向という内容の講演会でした
最初私は社員に行っていただく予定だったのですが この演題しかも
小澤氏が来られるということでしたので 是が非でもという事で参加いたしました
さて肝心のその内容は・・・
釈迦に説法ですがまず現在の木材需要状況は・・
全世界で年30億㎥が使われている(伐採されている)そうです
日本はそのうち7千万㎥(全世界の2%)だそうです
しかしながら驚くべきところは
実にこの使用量の約半分は途上国による”薪、炭”として使われている
いわゆる燃料として使われているということ
さらに 全世界で輸出入されている木材はそのうちたったの5億㎥(16%)
しかも実にそのうちの75%が 先進国同士による貿易
になっているということが今の貿易の現状だそうです
私ども日本人が地球温暖化で森林資源を守りましょう!!なんていってますが
全世界の2%しかカバーしていない私達がいくら叫んでも 焼け石に水
問題の根本はもっと別にあるという事を現実として突きつけられました
さらにその上でもっと恐ろしいことは”TPP 環太平洋経済協定” これによってどうなっていくか・・ 元々木材の関税は低く抑えられていることは知っております
高くても10% (農製品なんて1000%超えるもののあるんですから驚き!!)
だからたいしたこと無いなあ なんて思っていましたが
問題はここ 関税がかかっている品目がポイント!!
関税率を整理をすると
原木丸太・・0%
製材品・・・ 0~4.8、6.0%
合板・・・・ 6.0~10.0%
集成材・・ 3.9、6.0%
繊維板等・2.6~7.0%
すなわちこれを見て明らか 製品が今まで以上に安くなるということ
しかも 環太平洋ですから、 米加材、NZ 豪 中国、ロシアという日本の
需要割合の約半分の製品が関税撤廃!!
純粋に 今までより1割は安くなるということ さらにこの円高
ようやく木材自給率26%まで戻ってきたというのに 間違いなく落ちていくでしょう
その大きな要因は やはり合板 ようやく国産材の針葉樹合板が周知されてきているのに 輸入合板が安値攻勢をかけてくると 国産メーカーも値下げして対抗せざるを得ないそうすると原木価格にしわ寄せが来る・・ また安値の出材
明らかに 負の産業構造になります こんなことが木材だけでなくいろんなところにも
波及するでしょう
私は生活基盤の自給化を進めることこそが混沌とした国際社会の中
私たちの(国民)の生活を安心できるものであると信じています。
目先の利益や自分だけがよければ・・という考え方が横行しているからこそ
場当たり的な安値輸入、シェアを乱す物流破壊
こんな事を続けているから いづれ自分のみを破滅に向わせるのです
まずそんな事を消費者自身が NOというべきであり
我々業者も 本当に大切なことは何かを気づき、節度ある大人の行動をすべきだと
思います。
TPPという制度に踊らされるのではなく、本質を見定めれば自ずから何をすべきかが
分かるでしょう・・・